こらむ 126  デジタル絵画におけるモンタージュ

昨日は映画における「編集」について述べたが、映画用語としては一般的に「モンタージュ」が用いられる。絵画において「フォトモンタージュ」という技法があり、映画における用語としても誤解を招きかねない部分があるので、先ずは「編集」という言葉を使用したのである。元はフランス語の「組み立てる」という意味で、映画フィルムの単位であるカットを組み立てるという、文章における単語と構文の関係のようにとらえ、その重要性を主張している訳である。ところでこれを絵画の分野で考えるともう一つややこしいことが「フォトモンタージュ」との関わりである。フォトモンタージュは写真画像を切り抜いて組み立てる手法で、シュールリアリズムの考え方を端的に表現するにはうってつけの技法である。ここでは固有の「イメージ」が重要であって、そのイメージ写真を切り抜いて他の背景の写真のところへ貼付けるという操作を考えれば解り易い。しかし私が考えているデジタル絵画における「モンタージュ」はもっと広範な意味でとらえている。イメージを含めて「造形要素全般の再構築」と考え、形のデフォルメ、色の再構成、テクチャーの選択、画面全体の構成なども含めて、コンピュータとソフトの機能を十二分に発揮した総合的造形技法である。そこでは画面全体の中でのさまざなな変形から生まれる思いがけない形態・イメージ・情景を把握・選択・再構成といった状況もある。また偶然に出来た画像やイメージをユニットとして保存し、フォトモンタージュ的に活用したり、抽象構成のユニットとして活用することも一つの制作法である。このような制作過程は、人間の創造力・想像力をはるかに越えた世界を供給してくれる。そのわれわれの感覚を刺激し、想像力を掻き立てる資料を採取するのも重要な仕事に入ってくる。これは今までの創作活動には無い重要なポイントではある。完成作品にはまったく姿をみせないような資料でも、良い資料は短時間のうちに感覚を揺さぶり次ぎから次へとイメージを湧出させてくれるものである。この資料収集や「モンタージュ」の進行法の中に、デジタルアーティストの個性があぶり出される湧き出てくるのである。とにかく「モンタージュ」と言う視点でデジタル絵画の表現方法を考えると、新しい世界が具体的に明確に見えてくるはずである。早急に全体像の構築を試作したいと思っている。     2010.7.7

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