こらむ 102 コンピュータ導入の教育

「視覚言語」指導の種がこれまでの美術科の題材の中にさまざまな形で存在する。形の構成、色の学習、標識やマークのデザイン、ポスター、表紙やジャケットのデザイン、イラストレーション、ア二メーション、影絵、写真、ビデオ映像制作などデザイン学習と言われている多くの題材がそれに当たる。これまでと異なるのは、その具体的制作法である。それまで多くの時間を割いて制作させていたものが、コンピュータの導入によって四分の一の時間で指導出来る。指導のためのソフトの開発や、生徒のためのソフトの開発、そしてなによりコンピュータの調達などさまざまな問題はある。しかしこれは行政と教師が解決すべきことであり、外的状況は可能な状況にある。これからの教育は全児童・生徒がブック型のコンピュータを持って登校する。どのような結果をもたらすか解らない「児童手当」などはやめて、「入学祝い」にコンピュータを支給すればよい。そうすることにより、日本の教育事情や教育内容や指導法が劇的に変化する筈である。これは決して夢物語ではない。お隣の韓国では現実の問題としての動きが始まっているのである。そのような状況が実現された時、「学力」についての概念が変わるし、人間の能力についての考え方も変わる。これまで後生大事に考えていた「知識・理解」は片隅に追いやられ、「知識理解の操作方法や、活用をする能力」「資料を収集して、選択し活用する能力」や「像像的能力」「創造的能力」などに教育目標が置き換えられるはずである。そのような状況で美術科として「視覚伝達」の指導をどのように行なうか、しっかりと考え、準備をしておくべきである。コンピュータによる制作や伝達、それは映像などの広い視野で考えられた新しい表現、伝達の状況を想定しておくべきである。私はもともと国語科や外国語科と同等に「視覚言語科」の必要性を主張してきた。それは当時まったくの無謀な主張ではあったろうがようやく環境が整ってきたと感じている。しかしこれも美術科の行なうべき内容の一部であり、教科の主眼は他にあるとは考えている。その「造形思考」の問題は明日、稿を改めて書いてみたい。                      2010.6.12

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